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◆主と共に生きる◆信徒の証し

NO.444 2026.01.04

■黙想エッセイ

 

「自分で限界を決めてはいけない。本気で望めば、何でもできる。」
これは、周囲でよく耳にする言葉です。私自身もかつては、やる気さえあれば何でもできると思っていました。できないのは意志の問題であって、能力の問題ではないと信じていたのです。しかし、それは違いました。
世の中は絶えず「限界を設けるな」と叫びますが、人間は全能の存在ではなく、必ず限界を持っています。人間は、神が定められた限界の中にいるとき、最も安定し、安全でいられます。それにもかかわらず、「何でもできる」という嘘を信じてしまい、かえってより大きな挫折を経験するのです。私たちに必要なのは、自分の限界を認め、神の導きを待つことのできる勇気です。
私たちにとって最大の誘惑とは、世界を「自分中心に、自分の望むままに」生きようとすることです。さらには、神さえも自分の都合に合わせて利用しようとします。これこそが罪の本質です。神は、人間が神のうちに生きるよう創造されましたが、 私たちは、神の御心にそぐわないことさえ、自分が望むなら正しいと言ってしまいます。魚が水の中で生きるように、人間もまた、神が定められた限界の中にあってこそ、不安から解放されるのです。人間は、神と関係を結び、その御心に従って生きるとき、最も大きな幸福と満足を経験することができます。自分の限界を認めることは、失敗した人生を意味するのではありません。自らの限界を認めることこそが、本当の勇気なのです。

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