◆主と共に生きる◆信徒の証し

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2025.06.01

■黙想エッセイ

 

現代社会は高度な情報社会です。イギリスの批評家トーマス・カーライルは、すでに19世紀に「言論は第四の権力」だと強調しました。情報は力だということです。このような点で、今日、個人や集団の成功は「自身をどのように世に知らせるか」にかかっていると言えます。
イエス様も、この世に来られた目的を成し遂げるためには、ご自身を広く知らせるほうが有利だったかもしれません。しかしイエス様は、この世で働かれるとき、ご自身を徹底して隠されました。軍馬に乗った王の姿ではなく、ろばの子に乗ったみすぼらしい姿でエルサレムに入城され、十字架で罪人の姿で死なれました。自分が救い主であることをすべての人に知らせるべき状況で、イエス様はむしろすべてをお隠しになりました。そして、隠してこそ知られ、低くなってこそ高められ、貧しくなってこそ豊かになり、弱いほど強くなるという「メシアの奥義」を教えてくださいました。
私たちが生きるすべての場所で神の国を実現するためには、メシアの奥義を実践しなければなりません。自分を自ら高め、自分の計画を主張し、他人を抑えつける姿では、決して神の国を実現することはできません。神の子どもたちが謙遜に日々の生活の中でキリストの香りを放つとき、人々は神の国を味わうことができるのです。

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