2023.09.10
「目標に向かって進む」 ピリピへの手紙 3章12節-16節 西田 育生 牧師
パウロは目標に向かって進んでいると言っています。だれもが色々な目標を立てるでしょう。パウロの人生にはいくつかの節目があります。キリストに出会うまでパウロはクリスチャンを迫害していましたがキリストに出会って価値観が変えられました。天の御国に入り神の栄光の姿に変えられるという節目に向かっています。今パウロは御国に入るプロセスの中にいます。私たちもイエスを信じて新しく生まれました。生まれたままでなく成長する必要があります。成長していくプロセスがクリスチャンの歩みなのです。パウロも私たちもやがて神の御国に入ることができるという目標を持ちキリストと一体化されたいと強く思えば達成しやすいのです。
次の聖句からパウロの目標の一端が分かります。「私は、キリストとその復活の力を知り、キリストの苦難にもあずかって、キリストの死と同じ状態になり、何とかして死者の中からの復活に達したいのです。」(ピリ3:10-11)キリストと一つになり、復活の力だけでなくキリストの苦難、キリストの死を体験し、死者の中からの復活に達することが彼の願いでした。パウロはイエスの愛の中で生き、イエスと一体化して生きることが願いでした。
別の聖句では天の御国の民としての生活をしたいことが伺えます。「なぜなら、神の国は食べたり飲んだりすることではなく、聖霊による義と平和と喜びだからです。」(ロマ14:17) 聖霊の力を借りて平安で喜びに満たされた生活です。「・・・神は愛です。愛のうちにとどまる人は神のうちにとどまり、神もその人のうちにとどまっておられます。」(Ⅰヨハ4:16)愛の中にとどまる関係です。「神の国は、ことばではなく力にあるのです。」(Ⅰコリ4:20)御国の力が私たちにも注がれています。神も御国の民としての生活を身につけていくことを願い求めておられます。
それではパウロはどのような心構えで目指していたのでしょう。「私は、すでに得たのではなく、すでに完全にされているものでもありません。ただ捕えられようとして追求しているのです。そして、それを得るようにと、キリスト・イエスが私を捕えてくださったのです。…」(ピリ3:12) パウロは信仰を現在進行形で捉えています。今はできなくてもやがてできるようになります。神がくださる伸び代は大きいです。何をみて生きるかが大切です。「私たちはみな、覆いを取り除かれた顔に、鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられていきます。…」(Ⅱコリ3:18) これがクリスチャンライフです。
パウロの行動スタイルは「・・・うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。」(ピリ3:13-14) この聖句には2つのことが含まれます。1つ目は後ろのものを忘れることです。それは前に進めなくさせている何かです。パウロにとっては彼のプライドでありエリート意識でした。これまで良いと思っていたものがキリストにあって不必要だとわかり切り離しました。後ろのものを忘れるとは無かったことにするのではなく神に委ねることです。「東が西から遠く離れているように/主は私たちの背きの罪を私たちから遠く離される。」(詩篇103:12)と神はすべてを赦して下さいます。神は全てを益としてくださるので、過去の傷、否定的な感情を全部捧げましょう。すると目の前の具体的な目標に向かうことができるようになります。これが二つ目の意味です。前のものに向かって走るとは、大きな意味ではキリストの似姿になることですが、それは御言葉を聞いて行うことによって成り立っていくのです。それには①成長したい領域を思いめぐらす②成長を助ける御言葉を選ぶ③その御言葉を覚える④その御言葉を思いめぐらして実践する。このステップをしてみましょう。御国の生活に変えられていきます。「神の命令を守ること、それが、神を愛することです。…私たちの信仰、これこそ、世に打ち勝った勝利です。世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の子と信じる者ではありませんか。」(Ⅰヨハ5:3-5)
身近なところからでいいのです。初めはできなくてもいいのです。御言葉を適用してチャレンジしましょう。
≪分かち合いのために≫
- 成長したい領域はどこですか。
- その領域に対しての御言葉を選んでみましょう。思いめぐらして実践していきましょう。
今日の暗唱聖句
「兄弟たち。私は、自分がすでに捕えられたなどと考えてはいません。ただ一つのこと、すな わち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上 に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。」 (ピリピ人への手紙3章13-14節)