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2024.03.17

「ことばの力」

 

死と生は舌に支配される。どちらかを愛して、人はその実を食べる。(箴言18:21)

 

「ダンナぁ、大変だぁ、大変だぁ」と言っていつも飛び込んでくる魚屋一心太助が登場する番組がありました。将軍の御意見番大久保彦左衛門が主人公でしたが、決まって一心太助が「大変だぁ、大変だぁ」と言って飛び込んでくるのです。みんなが驚いて何が起こったのかとよく話を聞くと、それほど大したことではないのに、彼が大袈裟に言うのです。しかし考えてみれば、一心太助ばかりではありません。私たちもいつも大変だ。どうすると騒いでいたりすることがあるのです。
言葉には大きな力と影響力があります。それを私たちはあまり認識していません。時々自分はどのような言葉を語っているかチェックする必要があります。毎日語っている言葉の中に、私たちの意識が現れ、その人を形成していることを忘れてはなりません。
聖書は「死と生は舌に支配される。どちらかを愛して、人はその実を食べる。」と箴言にあります。私たちの生死が舌によって支配されると言うのです。舌とは言葉を発する器官です。どちらかを愛してとは、死に至る言葉を愛して語るか、いのちに至る言葉を愛して語るか、それによって死と生が分けられるというのです。ですから、私たちはもっと自分の語っている言葉を点検する必要があります。何気に人を批判したり、否定的な事ばかり語っていたりすると私たちの内から命が奪われていくのです。
以前、他教会員の方がしばらく来られていた時がありました。その方は問題指摘型の人で、いつも私に「この事は問題ですよ。このままだと大変なことになりますよ。」と問題を見つけては、私に指摘するのです。何か良いところはありませんか。と尋ねてもあまり良いところが見つからないようで、問題点はとなると、次々と出てくるのです。もちろん、教会をよくしようと思って言われている事として、前向きに受け止めようとしましたが、問題ばかり指摘されると、気持ちの良いものではありません。
あなたは人を見るとき、その人の良い点を見るほうですか。それとも足りない所に目が行きますか。神様は私たちを見られるときどのような目で見られるでしょうか。神様は私たちを神の作品として創造してくださいました。私たちを造られたとき、はなはだ良い。と言われたお方です。罪を犯して神様から離れてしまった私たちを放置せず、「あなたはどこにいるのか」と探し求めておられる神様です。あなたは神様に愛されているのです。
その愛を受けている私たちは、互いの良いところを見る習慣を身につけましょう。そして互いを祝福し合いましょう。語る言葉に愛を加えましょう。あなたの語る言葉によって、あなた自身がいのちを得ているのです。
聖書には「 あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味の効いたものであるようにしなさい。そうすれば、一人ひとりにどのように答えたらよいかが分かります。」(コロサイ4:6)とあります。「親切で、塩味の効いた」言葉とはどのような言葉を語ることでしょうか。思い巡らしてください。
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事において感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなた方に望んでおられることです」(Ⅰテサロニケ5:16-18)とも言われています。まず今日の礼拝であなたの心に神様への賛美と祈りと感謝が満ち溢れますように。その恵みを消すような言葉を語らず、互いに祝福し合う関係を築いていく者となりましょう。あなたは命の実を食べることになるのです。

 

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